LoveLive! Snow white 【prologue】→
一つの曲の一つの違和感のお話。
※注意 個人の見解が多く含まれます。
※12月12日に投稿された体で読み進めてください(すみません間に合いませんでした!)
はじめに
今日、2018年12月12日は鹿角理亞ちゃんの誕生日!
理亞ちゃん、お誕生日おめでとう!
僕はある瞬間をきっかけに、あなたのことが大好きになりました。
その瞬間はこちら。
今まで、ほとんどのシーンで仏頂面をしていた理亞ちゃんが不意に頬を綻ばせるこのシーン。
このシーンまでで理亞ちゃんが笑顔になっていたシーンといえば、ライブシーンと例のムーンソルトの時ぐらいだけだったような気もする。
これらのシーンとの違いといえば、作った笑顔じゃないところ。
僕がラブライブで好きなキャラクターには理亞ちゃんの他にかよちんとヨハネがいます。
この子たちの一つの共通点として、表情が豊かなところが挙げられます。
ラブライブのキャラクターはみんな表情が豊かだとは思いますが、かよちんとヨハネは特に表情が豊かな二大巨頭だと思います。
話を戻します。
理亞ちゃんは、このシーンをきっかけに色々な表情をするようになったと思います。
例えば、
こんな表情とか、
こんな表情とか。
ルビィちゃんに手を引かれたあの時、心の中で凍り付いていた何かが溶けだして、色んな表情が滲み出るようになったのかな、と僕は思います。
こうやって色んな顔を見せてくれるようになった理亞ちゃんに、すごい勢いで惹きこまれてしまったのが僕です。
1期を見終わった時点では、理亞ちゃんのことを仏頂面なキャラクターだなあなんて思ってました。
まさか、2期でこんな色んな表情をしてくれるなんて。
ましてや、こんなにこの子が好きになるだなんて予想もしていませんでした。
過去の僕に教えてあげたら、どんな顔をするんでしょうね。
さて、僕の理亞ちゃんのことが好きな理由は他にも色々あるんですけど、この記事はそれが主題ではないのでまたの機会にします。
Saint Snowの「らしさ」
さて、今日は理亞ちゃんの誕生日ということで記事を書き始めたわけですが、この記事には副題があります。
記事冒頭でも書いた、『一つの曲の一つの違和感のお話』です。
僕が今回取り上げる楽曲は、Saint Snowが北海道予選で披露した『DROPOUT!?』です。
この曲はアニメでは前奏部分でしか取り上げられず、フルを聞くことができたのは少し遅れてCDが発売されてから。
さて、予約をするのを失念していた僕は東奔西走してこのCDを手に入れたわけです。
いざ、聞くぞ!
と聞いてみました。
その時の感想は、(正確には覚えていませんが)
- かっこいい曲だなあ!
- 理亞ラップやっぱりすきだ・・・
といったものでした。
初視聴時のものなので語彙力無いのは置いておいてください。
時を同じくして聞いた『CRASH MIND』も同じような感想でした。
(余談ですが、1番Bメロ「大人のやり方ね」の言い方に心を撃ち抜かれました。)
特に何も考えていなかった僕は、DROPOUT!?、CRASH MIND、SELF CONTROL!!の三曲を聞いて、「かっこいい曲であること」「理亞ラップが入っていること」を何となく「Saint Snowらしさ」の記号として認識していました。
さて、時が流れ、1月中旬ぐらい。
その頃の僕が何をやっていたかというと、好きで好きでたまらない『ルビりあ』について、Pixiv小説を書いていました。*1
その小説の中で、「作中の歌詞を小説内に詰め込みたい」と思い、色んな曲の歌詞に向き合ってみることにしました。
そうやって見て行く中で、Saint Snowらしさとして今まで感じてきた要素以外に、実はもっと重要なものがあることに気付きました。
それまで、聖良さんの強い(?)性格も相まって彼女たちの歌う曲は「強い私たち」の曲だと無意識的に思っていました。
実際、「最高!」とか「最強!」とか意味の強い言葉が多く歌詞に含まれています。
しかし、ところどころに弱さが垣間見える歌詞があるということに気付きました。
例を挙げるならば以下の通りです。
- 敵は誰? 敵は弱い自分の影さ
- ふるえる指先知ってても見ないで
- CRASH MIND 迷って泣いても駄目になんかならないよ
- No more trick, No more trap!
こういう部分を見ていくと彼女たちは、ただ「自分たちは強いんだ」と歌っているのではなく、
「本当は弱い自分たちを強く見せる」ように、時には自分自身に「自分たちは強いんだ」と言い聞かせながら歌っているんだ、と感じるようになりました。
他に見出したSaint Snowらしさとして、「孤高を目指す強い気持ち」が歌詞に表れている、という点も挙げられます。
『SELF CONTROL!!』なんて曲名自体が孤高の権化みたいなものです。
その中でも、「恋だ愛だと騒ぎたくない 孤独な方が届きそうだから」というフレーズには孤高への強い憧れが垣間見えます。
『CRASH MIND』も歌詞全体を眺めてみれば、「傲慢で老獪さを気取る大人たちに流されてたまるもんか」、「何があろうと、自分の道を進んで見せる」という我の強い意思をひしひしと感じます。
このように改めて曲と向き合ってみて、彼女たちの曲は
「本当は弱い自分たちを強く見せるための楽曲」であり、
「孤高を目指す強い気持ちが表れている楽曲だ」と認識を改めました。
そして、それらは新たに見つけた「Saint Snowらしさ」なのかなとも思いました。
『DROPOUT!?』の違和感
さて、それでは『DROPOUT!?』ではどうなのか。
改めて歌詞を確認したとき、『DROPOUT!?』には『SELF CONTROL』『CRASH MIND』とは何か違うものが感じられました。
『DROPOUT!?』は他の2曲に対して、あまりにも歌詞が弱すぎる。
これが、僕が今回の記事で取り上げる「一つの曲の一つの違和感」です。
先程、『SELF CONTROL!!』や『CRASH MIND』では強い部分の中に弱い部分が時折垣間見える、と述べました。
それらと比べて『DROPOUT!?』は、ほぼほぼ全編が弱い部分です。
一番弱さの目立つ部分はその曲名です。
予選を勝ち上がってラブライブ決勝に歩を進めるための曲のはずなのに、その曲名は「脱落」の意味を持つ英単語。
しかし、もっともっと弱い部分があります。
それは、
孤独がただ 今を歪めるなら 誰を呼びたいの?
孤独がただ 今を引き裂いてる 誰を呼びたいの?
呼べばいいよ!
この部分です。
「孤独な方が届きそうだから」なんて歌っていたSaint Snowが「孤独」という言葉をネガティブな意味で用いている。
さらに「誰を呼びたいの?」「呼べばいいよ!」と孤独をまるで否定するかのような歌詞まで用いています。
今まで「孤高」を歌ってきたSaint Snow。
それなのに、この曲ではそれを否定している。
そこに僕は強い違和感を覚えました。
「Saint Snowらしくないな」と。
彼女たちが「SaintSnow」として歌った曲は3曲。
たったそれだけの中で「らしさ」を語ること自体間違っているのかもしれません。
もしかしたら単に深読みしすぎてるだけかもしれない、なんて思いながらも僕は心の中に芽生えた違和感を拭えずにいました。
さて、時はさらに流れ今年の11月中旬。
記事の投稿日から1か月ぐらい前の話です。
実は、僕は理亞ちゃんの誕生日にPixiv小説を上げようとひそかに策略を練っていました。(見ての通り断念しました。)
それでも脳内で少し構想は練っていて、『DROPOUT!?』を主軸にした物語を書こう、という部分は決めていました。
そこで違和感を覚えたままの『DROPOUT!?』という曲ともう一度向き合うことになりました。
「誰を呼びたいの?」
『DROPOUT!?』の歌詞の中で、最も強烈な違和感を放っている箇所。
ふと、この歌詞を見てある疑問が浮かびました。
この歌詞は、誰から誰への問いかけなんだろう。
それを紐解くことができれば、この違和感の意味に気付けるかもしれない。
僕はそう考えました。
この疑問を解明するための最初の壁、それはこの問いかけが誰によるものなのか、だ。
これに関しては簡単に答えが出ます。
作中でも触れられている通り、Saint Snowの作詞のほとんどは聖良さんが担当してます。
ということは、この問いかけを発したのはきっと聖良さんだと想像がつきます。
さて、次はこの問いかけが誰へのものなのか。
問題となる「誰を呼びたいの?」という歌詞は
「孤独がただ 今を歪めるなら」「孤独がただ 今を引き裂いてる」という歌詞から続いています。
ここで目立つのは「孤独」という言葉。
きっとこの問いかけは「孤独な誰か」に向けられたものだろうと考えました。
でもラブライブ!はハートフルな物語。
作中で孤独なキャラクターなんて一人も存在しません。
孤高を目指すSaint Snowでさえ2人組のユニットです。
でも待てよ、「これから孤独になるかもしれない人」はいるじゃないか。
聖良さんの最も近くにいて、それでいて3年生の聖良さんがスクールアイドルを辞めてしまったら孤独になってしまう子が。
鹿角理亞
きっと、「誰を呼びたいの?」という問いかけは今年でスクールアイドルを辞めることになる聖良さんから残された理亞ちゃんへ向けられたものなんじゃないか。
そう考えると、『DROPOUT!?』の曲名に別の側面が見えてきます。
DROPOUT 脱退
聖良さんは、今年いっぱいでSaint Snowを脱退しないといけない。
愛しの妹を置いて。
それは限られた時間の中で輝くことを強いられるスクールアイドルの宿命ともいえる。
『DROPOUT!?』という楽曲には、今年度でスクールアイドルを辞める聖良さんから理亞ちゃんに向けたメッセージという側面もあるのではないか、と考えました。
今まで孤独を歌ってきながら、それでもSaint Snowは孤独ではありませんでした。
しかし、作中でも触れられた通り、理亞ちゃんにはあまりお友達がいません。
聖良さんが卒業すれば、このままでは本当の意味の「孤独」になってしまう。
聖良さんが脱退という現実に向き合い、そして脱退の結果訪れる本当の孤独の恐ろしさに気付いて、そこで初めて「孤独」という言葉をネガティブな意味合いで用いたのではないか。
自分が脱退したその先に何があるのか、聖良さんのその不安と焦りが曲名の『!?』に表れたのかもしれません。
ということで、これを踏まえて違和感を抱いていた部分の意味を読み解くとこのようになります。
孤独がただ 今を歪めるなら 誰を呼びたいの?
今までのSaint Snowが目指してきた「孤高」という考えが、未来の理亞を孤独に縛り付けてしまい、今後のスクールアイドルとしての活動を脅かすなら、「孤高」なんて捨ててもいいんだよ。
こんな意味が含まれているんじゃないかなと考えました。
聖良さんとは違って、理亞ちゃんがスクールアイドルでいられる時間はまだあと2年間あります。
スクールアイドルが輝くことのできる時間は限られている。
聖良さんは、残りの2年間という残された時間で理亞ちゃんがより自由に輝けるように、Saint Snowという枷を外したかったのではないでしょうか。
そして、枷が外れた後の理亞ちゃんの輝きをそっと見守りたかったのではないでしょうか。
僕は歌詞考察に手慣れているわけではないので「DROPOUT=脱退」としたときの歌詞全体を通した意味については汲み取ることができませんでした。
実際、「DROPOUT=脱落」とか単に「DROPOUT=落ちる」と訳した方が意味の汲み取りやすい部分も存在します。
しかし、そうするとどうしても「誰を呼びたいの?」という強烈な違和感を放つ一節の意味を汲み取ることができませんでした。
以上、僕が『DROPOUT!?』と向き合って得た考えでした。
Awaken the Power
さて、理亞ちゃんを語るにおいて外せないのがこの楽曲。
1年生組が自分たちの力だけで作り上げた『Awaken the Power』。
その曲名の通り、その歌詞には「力の目覚め」について何度も触れられています。
もちろん、力の目覚めというのは重要なワードです。
自分たちだけでもやっていけるという姿を姉に見せつける。
そうやって自分たちの成長を見せることで、姉たちに安心して卒業してもらう。
そんなコンセプトがこの曲にはあったはずです。
まあ、その辺はおそらく他の方が僕より素晴らしい文章力で表現されてることだと思うのでこの記事ではスルーします。
(ここまで触れたら冗長すぎてまとまらなくなっちゃうし)
(すでにまとまってない気もする)
僕が注目したいのはここです。
Come on !
Awaken the Power yeah !
Are you ready ?
Let's go !!
作中では、理亞ちゃんが発したこの合図で理亞ちゃんとルビィちゃんを除いた全てのSaint Aqours Snowのメンバーが登場します。
理亞ちゃんが、みんなを呼んでいるんです。
ただ呼んでいるだけじゃなくて、ステージに「呼んで」いるんです。
スクールアイドルとして最大限に、精一杯輝くために。
それは、「孤高」を目指すSaint Snowとは間違いなく違う輝き。
この「Come on !」から始まる合図は、新たな輝きを理亞ちゃんが見つけられたことの証左なのだと僕は思います。
そして、『Awaken the Power』のライブの後、理亞ちゃんは聖良さんにこう伝えます。
「新しいグループで違う雪の結晶を見つけて、姉様にもみんなにも喜んでもらえるスクールアイドルグループを作る。
見てて。」
聖良さんが卒業した後も、理亞ちゃんは理亞ちゃん自身が見つけ出した輝き方でスクールアイドルを続ける。
この強い意思表明は、聖良さんの「誰を呼びたいの?」という問いかけの十分な答えになっているんじゃないかな、と僕は思います。
この回では、エンディングテーマである『勇気はどこに?君の胸に!』は流れませんでした。
それでも、なぜか僕の頭の中である歌詞が自然と思い浮かんでました。
夢は消えない 夢は消えない
最後に
ラブライブ!サンシャイン!!の作中ではほとんどの視点がAqoursに合わせられてきました。
その中で少しだけ覗くことのできたSaint Snowの物語。
僕が知ることができた部分は、Saint Snowのほんの一部だけかもしれない。
もしかしたら、僕がこうやって今まで書き上げたこと全てが的外れかもしれない。
それでも、一つだけ確かなことがあります。
それは、理亞ちゃんのラブライブ!はまだ始まったばかりだということ。
作中でも色んな出来事、色んな困難がありました。
それでも理亞ちゃんはまだ1年生。
だから、きっとここまではプロローグ。
「新しいグループで違う雪の結晶を見つけて、姉様にもみんなにも喜んでもらえるスクールアイドルグループを作る。」
そう宣誓した理亞ちゃんは、きっとこれからもっと大きな壁にぶつかるだろうし、もっと困難な課題が立ちはだかることだと思う。
メンバー集め、作詞、作曲、衣装作り。
理亞ちゃんという一人のスクールアイドルが主人公の物語はまだ始まったばかり。
ここから続く物語がどんなものになるかは、きっと公式から多くを描かれることはないと思います。
理亞ちゃんがどんな仲間を集め、どんな障害と出会い、そしてどのように成長するのか。
その答えを知る方法はきっとどこにもない。
それでも、僕はどこかで紡がれるはずの彼女の輝きを、
どこかで0から踏み出そうとしている、もしくは0から踏み出した理亞ちゃんとその仲間たちを、影ながら応援しています。
改めて、理亞ちゃん、お誕生日おめでとうございます。
大好きです。
新しい雪の結晶に幸あれ。
最後まで閲覧ありがとうございました。
*1:良ければ見て行ってください。めちゃめちゃ長いですけど、自信作です。ちょっとダークネスな部分もあります。